|天国の大ちゃんへ

大ちゃんの訃報を知ったあの日から、早いもので1ヶ月が過ぎようとしています。
青山で大ちゃんのお別れ会が開かれました。
私は行けなかったけど…。

私が大ちゃんの存在を初めて知ったのは、今はもうはっきり覚えていないけど、多分『BOON!』が始まった頃。
長野くんが出演するというだけで見始めたモータースポーツ番組がきっかけでした。
最初はモータースポーツの楽しみ方なんて全く分からなくて、マシンやレース・ライダー達とふれ合ってはしゃいでいる長野くんを見ているのが楽しいだけでした。
その後、番組には時々GPライダーが登場。
大ちゃんもかなり頻繁に番組に登場していたと思います。
番組でいい味出してくれてる大ちゃんやGPライダー達。
いつの間にかそんな皆さんにすっかり引き込まれて、気づいたらレースも見るようになっていました。

初めてシーズンを通してレースを見たのは2001年。
この年、250ccクラスは原田哲也さんとの天才ライダー対決で大いに盛り上がりました。
原田さんとのトップ争いにいつも大興奮!!
テレビやトークショーで見る大ちゃんは、本当にいつも飄々としていて自然体。
でもレースになると負けず嫌いで、強い。
とにかくミスが少なく、そして速い。
このギャップは本当に衝撃的でした。
この年の250ccクラスのレースがきっかけで絶対にナマでレース観戦をするんだと心に決めました。

翌年、大ちゃんはMotoGPクラスでデビュー。
私もその年の開幕戦@鈴鹿でナマ観戦デビューを果たしました。
エントランスに近づくにつれて聞こえてくるマシンのエンジン音に感動したあの瞬間を今も忘れることができません。
あの時は大ちゃんの苦手な雨であまりいいレースができなくて、見ているこっちもちょっと欲求不満。
秋のもてぎは天気も大ちゃんの調子もとってもよくて、表彰台期待大だったけれど、マシントラブルでリタイア。
そして、今度こそ満足のいくレースをしてチェッカーを受けてくれるんだろうと思って臨んだ今年の鈴鹿。
大ちゃんはついにチェッカーを受けることが出来ませんでした。
スリリングな展開を見せるレースに転倒はつきもの。それは毎回本当に命がけの戦いを繰り広げている世界なんだと痛感させられる瞬間。
あのとき、ピットを走る救急車と飛び立っていったドクターヘリで現実を突きつけられた気がします。

******

大ちゃんが逝ったと聞いてからも、ずっとその事実を信じられないまま時が過ぎました。
絶対にいつものあの姿で私たちの前に現れると信じて疑わなかったから。
メディアで取り上げられその現実を受け入れざるを得ないと思い始めて、迎えた第2戦南アフリカGP。
ライダーやメカニックたちが集まって黙祷を捧げる姿、腕に着けられた喪章、マシンに貼られた“74”のステッカー。
その全てがその場に大ちゃんがいないというのを改めて実感させるもので…本当に涙が止まりませんでした。
南アGPのスタートもいきなり多重クラッシュ。
鈴鹿の悪夢が蘇るようで凍り付きました。
クラッシュに巻き込まれたライダーがみんな無事だと分かってホッ。
大ちゃんのチームメイト・セテがPole to Winを勝ち取りました。
チェッカーの瞬間、また大泣き。
ピットでメットを取らずにチームクルーと抱き合うセテ。
表彰台で胸につけられた“74”の文字にそっとトロフィーを触れるセテ。
そんなセテの姿に涙が止まらなくなっちゃいました。
南アGPはみんなが大ちゃんを想って走ったレースだったと思います。
今シーズンはまだ始まったばかり。GPの歴史もまだまだ終わらない。
参戦した、そしてこれから参戦する、GPの歴史を作っていく全てのライダーの勇気と強さに心から拍手です。

すごく自分勝手な言い方かもしれないけれど、何が悔しいって、私がレースの楽しさを知るのが遅すぎたこと。
もっと早くレースのおもしろさを知っていたら、大ちゃんの存在を知っていたら、
強い大ちゃんの姿をもっとたくさん見ることができたのにな…と思うと、本当に悔しいです。
だけど、大ちゃんやGPライダーたち、そして長野くんが教えてくれたモータースポーツの楽しさは、これからも私の中に生き続けること間違いなし。
きっかけは不純な動機(苦笑)、でも今は本当に命がけでレースを繰り広げているライダー達に夢中。
私はこれからも毎年1回は必ずサーキット訪れようと思ってます。
“たくさんの人がサーキットに足を運んでくれること”
それが大ちゃんの願いだもんね。

大ちゃんは私に新たな世界を見せてくれました。
ありがとう、大ちゃん。
「安らかに」」なんてこと、私には言えません。
天国でも、いや生まれ変わっても、大ちゃんにはずっと最速ライダーでいてもらいたい。
だから、ずっとずっと走り続けていて下さい。


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