|さようなら、ウィルコム。

あなたとの出会いは今から約16年前。当時、あなたは“DDIポケット”というブランド名でした。
知人から文字電話「テガッキー(PM-T101)」を勧められたワタシは、既に手元にPHSがあるにも関わらず何の迷いもなく契約しに行ったことを今でも覚えています。
今では画面上の文字をタッチしてメールを作成することも、ディスプレイにスタイラス(ペンタブ)で何かを書くことも珍しくないことですが、まだポケットベルの延長上にあった携帯メール時代に見せつけられた文字電話は衝撃的なツールでした。

その後、文字電話は廃れてしまいましたが、父が在籍している会社がDDIポケットの製品を作っていたことが縁で「KX-HV200」に機種変更。
パソコン用サイトを見られるブラウザを搭載した「AH-K3001V」
ミニキーボードと本体の色が魅力的で手にした「WILLCOM 03(WS020SH)」
スリムでコンパクトなUSB接続の通信アイテム「AH-F401U」
シンプルな「NS001U」と通称“青耳”「RX420IN」のコンビ
…と数々の端末を渡り歩き、今(PORTUS、BAUM、イエデンワ)に至ります。

その間にあなたはKDDIグループから離脱し“WILLCOM(ウィルコム)”という社名とブランド名に変わりました。そのスタイリッシュなブランド名にワクワクした記憶があります。
PHSというツールが携帯電話の多機能化による波に乗り遅れた格好で経営難に陥り、会社更生法の適用申請が行われた時は衝撃が走りました。
かつてNTT(NTTドコモ・NTTパーソナル)がPHS事業から撤退した際もかなりのショックでしたが、あなたが経営を立て直せなかったらPHSという存在そのものが消えてしまうのではないかという不安でいっぱいになったものです。
ソフトバンクのグループ傘下に入って以降は、メール送受信無料やPHS同士の通話無料など魅力的な料金形態が目を引きました。
2011年の東日本大震災では携帯電話に比べてPHSは繋がりやすかったということが話題となり、行政がPHSを採用するというケースも出てきました。
PHS契約数が増加に転じたという報道や、会社更生法手続の終結が決定したと聞いた時は本当に嬉しかったし、安心もしました。

あなたがイーアクセスと合併して“WILLCOM(ウィルコム)”というブランド名が無くなると知った時はショックでした。
とあるアンケートで「ウィルコムというブランド名を消さないで欲しい」という回答をするくらいに切ないことでした。

明日からあなたは“WILLCOM(ウィルコム)”ではなくなります。
「いまどきPHS使ってるの?」という言葉を何度も言われ、4G全盛のご時世にありながら、それでもワタシはこれからもPHSを使い続けることでしょう。
PHSに何を求めているのかを聞かれても正確に答えることはできないけれど、携帯電話とは違うスタイルを持つPHSだからこその何かがあるとワタシはずっと信じています。

ありがとう、ウィルコム。
さようなら、ウィルコム。


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