March
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2007. 3. 4 (Sun) 地獄八景・・浮世百景(笑)
2007. 3. 4 (Sun) 地獄八景・・浮世百景(笑)
久しぶりに舞台鑑賞!
アツヒロくんが北九州芸術劇場プロデュース公演に出ていると知り、
これは行かねば!!となったわけですが、
北九州芸術劇場がこんなプロデュース公演をしているなんて、この時まで全く知りませんでした。
最近は、福岡と北九州で演劇が少し盛り上がってますが、
ちゃんとした劇場ができると、プロデュース公演なんてのもあるんですねー。
そういうのって東京の専売特許的ものだと思ってたので、目からうろこです。
******
この作品は
・金遣いの荒い若旦那と芸妓さん
・ケンカの仲裁が好きな男
・お金を次第で何でも解決する男
・閻魔大王の裁きを受けるまで地獄観光をする人たち
という登場人物が出てくる4つの落語が土台。
閻魔大王が「おもしろい話をして笑わせた者には恩赦を与える」と言い出したことから物語が始まる。
とある理由で死んでしまった男たちが、「おもしろい話をしたら2人生かしてくれ」と頼み込むと、
閻魔大王の両側に控える2人の鬼も笑ったら頼みを聞いてやるということになり、その男が話を始める。
恋に落ちた遊びに不慣れな若旦那と芸妓。
働かずに芸妓のためにお金を浪費するその溺れぶりに手を焼いた若旦那の身内が、
修行のために100日間で100両を稼ぐように言い、家を追い出してしまう。
旅をしていくうちに、ケンカの仲裁をする男と出会ったり、
困ったことがあったらお金次第で何でも聞いてくれる男を紹介してもらったり…。
一方、芝居に行く約束をしていたのになかなか迎えに来ない若旦那を不安に思った芸妓。
寝る間も惜しんで若旦那へ思いのたけを綴った手紙を書きつづけ、
やがて病に倒れた芸妓は若旦那が作ってくれた三味線を抱えたまま死んでしまう。
100日後に戻ってきた若旦那は芸妓の死を知り、後追い自殺をしようとするが、
結局その若旦那はひょんなことで橋から落ちて水死してしまう。
その成り行きを聞いた閻魔大王は笑ったけれど、鬼は笑わない。
1人しか生き返れないと言われと若旦那は、死んだ芸妓を生き返らせようとするが…。
******
ところどころに出てくるオチがこれぞ落語!っていうカンジで、
特に印象に残っているのは、芸妓の死を知った若旦那がお線香をあげると聞こえ始める三味線と歌。
芸妓の母親から無くなった芸妓が弾いてるんだと言われ、しばし耳を傾けるも急に止んでしまう。
すると、芸妓の母親がひとこと。
「線香の煙が消えてしまってますわ」
なんだか切ないオチで、胸がきゅっとなりました。
最後、愛する芸妓を生き返らせようとする若旦那と、その若旦那を気遣う芸妓のやり取りを見ていた男がひとこと。
「実は今の話、全部来年の話」
これを聞いて2人の鬼は大爆笑。
めでたく若旦那と芸妓は揃って現世に蘇り、幸せに暮らしましたとさ...という展開に。
す、すげー!こんなに分かりやすくキレイなオチが待っているなんて!!
後日、新聞の劇評で
「観客は演劇の持つ世界観に笑っているが、あれで落語の良さが伝わっているのか疑問」
というようなコメントが載っていたんですけど、
演劇にしろ、ドラマにしろ、アニメにしろ、その世界だからこその魅せ方っていうのがあるものだと思うんですよね。
この作品をきっかけに実際の落語作品に接する人もいるだろうし、
その時に演劇と落語の違いと、それぞれの良さに気づくのもいいかな、と個人的には思うので、
演劇を見ているうえでは演劇上の世界観に浸るのは当然かなって気がします。
4つの落語を1つの作品のエッセンスとしてうまくちりばめてあって、
笑いはもちろん、感動もあって、休憩ナシで2時間20分とは思えないほどテンポがよかったなぁと思いました。
実は、全く調べずに勢いで取ったチケットは大千秋楽日だったんで、ラッキーなことに(多分)普段より長めのカーテンコール。
大盛り上がりで終わったのでした。
(2007.3.11 7:57)
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アツヒロくんが北九州芸術劇場プロデュース公演に出ていると知り、
これは行かねば!!となったわけですが、
北九州芸術劇場がこんなプロデュース公演をしているなんて、この時まで全く知りませんでした。
最近は、福岡と北九州で演劇が少し盛り上がってますが、
ちゃんとした劇場ができると、プロデュース公演なんてのもあるんですねー。
そういうのって東京の専売特許的ものだと思ってたので、目からうろこです。
******
この作品は
・金遣いの荒い若旦那と芸妓さん
・ケンカの仲裁が好きな男
・お金を次第で何でも解決する男
・閻魔大王の裁きを受けるまで地獄観光をする人たち
という登場人物が出てくる4つの落語が土台。
閻魔大王が「おもしろい話をして笑わせた者には恩赦を与える」と言い出したことから物語が始まる。
とある理由で死んでしまった男たちが、「おもしろい話をしたら2人生かしてくれ」と頼み込むと、
閻魔大王の両側に控える2人の鬼も笑ったら頼みを聞いてやるということになり、その男が話を始める。
恋に落ちた遊びに不慣れな若旦那と芸妓。
働かずに芸妓のためにお金を浪費するその溺れぶりに手を焼いた若旦那の身内が、
修行のために100日間で100両を稼ぐように言い、家を追い出してしまう。
旅をしていくうちに、ケンカの仲裁をする男と出会ったり、
困ったことがあったらお金次第で何でも聞いてくれる男を紹介してもらったり…。
一方、芝居に行く約束をしていたのになかなか迎えに来ない若旦那を不安に思った芸妓。
寝る間も惜しんで若旦那へ思いのたけを綴った手紙を書きつづけ、
やがて病に倒れた芸妓は若旦那が作ってくれた三味線を抱えたまま死んでしまう。
100日後に戻ってきた若旦那は芸妓の死を知り、後追い自殺をしようとするが、
結局その若旦那はひょんなことで橋から落ちて水死してしまう。
その成り行きを聞いた閻魔大王は笑ったけれど、鬼は笑わない。
1人しか生き返れないと言われと若旦那は、死んだ芸妓を生き返らせようとするが…。
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ところどころに出てくるオチがこれぞ落語!っていうカンジで、
特に印象に残っているのは、芸妓の死を知った若旦那がお線香をあげると聞こえ始める三味線と歌。
芸妓の母親から無くなった芸妓が弾いてるんだと言われ、しばし耳を傾けるも急に止んでしまう。
すると、芸妓の母親がひとこと。
「線香の煙が消えてしまってますわ」
なんだか切ないオチで、胸がきゅっとなりました。
最後、愛する芸妓を生き返らせようとする若旦那と、その若旦那を気遣う芸妓のやり取りを見ていた男がひとこと。
「実は今の話、全部来年の話」
これを聞いて2人の鬼は大爆笑。
めでたく若旦那と芸妓は揃って現世に蘇り、幸せに暮らしましたとさ...という展開に。
す、すげー!こんなに分かりやすくキレイなオチが待っているなんて!!
後日、新聞の劇評で
「観客は演劇の持つ世界観に笑っているが、あれで落語の良さが伝わっているのか疑問」
というようなコメントが載っていたんですけど、
演劇にしろ、ドラマにしろ、アニメにしろ、その世界だからこその魅せ方っていうのがあるものだと思うんですよね。
この作品をきっかけに実際の落語作品に接する人もいるだろうし、
その時に演劇と落語の違いと、それぞれの良さに気づくのもいいかな、と個人的には思うので、
演劇を見ているうえでは演劇上の世界観に浸るのは当然かなって気がします。
4つの落語を1つの作品のエッセンスとしてうまくちりばめてあって、
笑いはもちろん、感動もあって、休憩ナシで2時間20分とは思えないほどテンポがよかったなぁと思いました。
実は、全く調べずに勢いで取ったチケットは大千秋楽日だったんで、ラッキーなことに(多分)普段より長めのカーテンコール。
大盛り上がりで終わったのでした。
(2007.3.11 7:57)
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